どうしてもわからないときは公示送達-家事調停

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どうしてもわからないときは公示送達-家事調停

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住所がどうしてもわからないときには、調停を行えないので、審判や裁判にするしかありません。
調停が前提となっている家事事件であっても、調停を行えない場合に審判を申し立てたり裁判を起こすことは認められています。
とはいえ、裁判にしても、相手方に呼出状と訴状の副本を送るための送り先がないのですから、そのままでは何も進みませんね。

そういうときのために、「公示送達」という手段があります。
公示送達は、裁判所に公示(掲示板に掲載する)して、2週間経つと裁判を開始できるという制度です。
裁判所の公示を見る人は、ごく限られてますから、そのまま夫が現れなければ、欠席裁判となって通常はあなたが勝訴することになります。

公示送達は、裁判(審判)だけに限り、調停時に相手が行方不明であっても利用することはできません。
これは、調停そのものが、双方の話し合いを本質としているためで、話し合いができないのに調停を開くという、矛盾した状況は成り立たないからです。
従って、住所を調べるための調査を行っても夫の行方が知れないときには、調停をあきらめるしかなく、審判や裁判に移行する以外の手段はありません。

審判を申し立てたり、裁判の訴えを起こす家庭裁判所は、夫の最後の住所地(つまり別居する前にあなたと住んでいた住所)を管轄する裁判所になるので、多くの場合はあなたが今住んでいる地域の裁判所です。

公示送達は、その性質上、相手方が現れない状況から公平性を欠くので、簡単には認められず、夫の住所を探し出す努力をしたことを証明する、証明書等が必要になります。
「住所を調べる方法」で説明した、住民票や戸籍の附票などのほか、調査報告書(弁護士や探偵等に依頼)、不在証明書(民生委員等に書いてもらう)などです。
これらの書類は、公示送達の申立書に添付することになりますので、事前に用意しておきましょう。

また、手続きも含めて素人には難しく、この時点で弁護士や司法書士などに依頼するのも1つの選択肢ではあります。