離婚後の苗字はどうなる?-氏(苗字)に対する誤解

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離婚後の苗字はどうなる?-氏(苗字)に対する誤解

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氏というのは、呼び方が同じだからといって、戸籍が違えば同じ氏ではないということを理解しましょう。

あなたの氏が「鈴木」だとして、お隣さんが「鈴木」であっても、同じ「鈴木」ですが同じ家(戸籍)ではないですよね。

氏は戸籍に固有(転籍や分籍などがあるので厳密には違いますが)になっており、呼び方が一緒でも戸籍が違えば違う氏として扱われます。

したがって、「氏を称する」というのは、同じ呼び方(同じ字)にするということで、離婚して戸籍が違う夫と同じ氏ではないということです。

つまり、あなたが婚姻中の氏を名乗って新たに「同じ呼び方の違う氏で」戸籍を作ることになります。

同じ呼び方でも違う氏なのですから、婚姻中の氏を称したところで、お隣の同姓と同じような扱いで、夫に何か言われる筋合いはなく、夫に同意を求める必要もありません。

また、離婚時に旧姓を選んでも婚姻中の氏を称しても、新たに戸籍を作ると筆頭者となり、親の戸籍に戻ることはできなくなります。

それでも日常の生活上で不便になることはないと思われますが、離婚は親の戸籍に戻る数少ない機会なので、この点は良く考えて判断するべきでしょう。

もう1つ問題になるのが、離婚時には婚姻中の氏を称するか、旧姓に戻るかの2つしか選択肢がないということです。戻れるのが「1つ前」であることに注意してください。

もし、婚姻中の氏を称することに決めた後に、再婚して離婚すると、再婚中の氏か、再婚前の氏(前婚と同じ呼び方の氏)に戻るしかないということです。

あなたが生まれたときの、両親の氏に戻ることはできなくなるので慎重に決めましょう。

後からどうしても両親の氏に変えたい場合には、家庭裁判所に「氏の変更許可」を申し立てるしかありません。