離婚と財産分与-譲渡所得税

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離婚と財産分与-譲渡所得税

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譲渡所得税という名目の税金は無く、不動産の譲渡所得に課税される所得税と住民税の通称で、譲渡税と呼ばれることもあります。
財産分与を不動産で行うと、分与した側には譲渡所得税が発生する可能性があるので注意しなくてはなりません。

財産分与とは財産を(無償で)分け与えるのであって、売買でもないのになぜ譲渡所得?と思われる方も多いでしょう。
更に分与する側はお金を受け取っていないのですから、所得として課税されてはたまったものではありませんよね。
あなたが分与する側だとすれば、お金が入らず税金だけが出て行くという状況です。

譲渡所得とは、収入(売却代金)から経費(購入費等の取得費と諸費用)を引いた金額で、財産分与の場合には収入となるべき金額が無いために、財産分与の時点の不動産の価額が相当します。
つまり、購入金額よりも分与時の価値が高ければ、その差額に課税されるということです。
バブル経済期ならともかく、保有している不動産が値上がりしているケースは少ないでしょうから、実際に譲渡所得税を支払った人は少ないのかもしれません。

譲渡所得税の支払いについて全く腑に落ちない人もいるかもしれませんが、税制上は価値が上がった不動産を財産分与すると税金が発生してしまいます。
実際のところは、分与する側は不動産の価値が上がった分だけ、財産分与義務を免れるという理屈で課税されています。

例えば、2,000万円で買ったマンションが離婚時に3,000万円で1,000万円の価値上昇があったとしても、そのまま持っているだけでは課税されません。
ところが、財産分与においては3,000万円の価値として分与されるので、分与する側は間接的に1,000万円分の経済的な利益=譲渡所得が発生しているという考え方です。

納得できなくても支払い義務がある以上は納付しなくてはなりませんので、譲渡所得は確定申告し、所得税と住民税という形で納税することになります。