保護命令の申立て-DVでの保護命令

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保護命令の申立て-DVでの保護命令

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はじめに間違えやすいのが、保護命令を申し立てるのは「地方裁判所」であることです。
DVは夫婦間(もしくは夫婦に準ずる関係)という家庭の問題ですが、家庭裁判所ではなく地方裁判所が担当することに注意しましょう。

管轄となる裁判所は、夫の住所地を管轄する地方裁判所、あなたの住所地を管轄する地方裁判所、実際に暴力や脅迫が行われた地を管轄する地方裁判所のいずれかです。
既に夫から逃げて別居している場合、夫の住所とあなたの住所が同じ地方裁判所の管轄なら仕方がありませんが、異なる場合には、夫に少しでも近づかないよう、あなたの住所地の地方裁判所を利用する方がベターです。

保護命令の申立ては、調停などの申立てに比べ、それだけで裁判所命令を出す手続きなので、少々添付書類が面倒です。

【用意するもの】
・配偶者暴力等に関する保護命令申立書
・申立人の印鑑(認印可)
・添付書面(詳細は後述)
・収入印紙1,000円分
・連絡用の切手代
・執行官送達費用

※執行官送達費用とは、申し立てによって発生する加害者への書類郵送が困難な場合に、執行官によって書類を送達するための費用で、1万円程度の金額を予納し、残額は返還されます。

■添付書面詳細

・戸籍謄本等で婚姻関係を証明できるもの
これは問題ないでしょう。本籍地の市区町村役場にいけば取得することができます。

・暴力を受けたことを証明できるもの(診断書・写真等)
これもわかりやすいですが、暴力を受けないと保護命令を申し立てられないということではありません。
暴力を受ける前であれば、陳述書によってその危険性を主張することになります。

・陳述書(今後暴力や脅迫を受ける可能性があるという内容)
保護命令を発令してもらうために書く大切な書類です。
現状の危険性をどのくらい訴えられるかが大切で、可能なら親族等にも協力してもらい第三者の記述もあったほうが信憑性が高くなります。

・宣誓供述書(事前に相談がない場合)
保護命令の申立てには、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談した事実を記載する欄があります。
これらの施設へ事前に相談がない場合、暴力や脅迫を受けたり今後受ける可能性について根拠を欠いてしまうので、被害に関する供述を記した書面を作成し、公証役場で公証人の面前で宣誓して宣誓供述書を添付します。
こうした手続きを踏むのは面倒で、宣誓供述書の作成は費用も掛かるため、事前に相談してから保護命令を申し立てるのが通常です。

・子供の同意書
子への接近禁止命令を求め、子供が15歳以上のときに必要です。
また、同意書への記載が子供によってされたという証明のために、同じく子供が書いた書面(学校のテストなど)を用意します。

・親族の同意書
親族への接近禁止命令を求める場合に必要です。
接近禁止を求める対象者の同意書(署名押印)と、それを証明する印鑑証明書や手紙等を用意します。
(対象者が15歳未満なら、その法定代理人の同意書と資格証明書が必要)
他には、申立人と対象になる親族との関係を証明する書類と、接近禁止命令が必要であるという対象者作成の陳述書を用意します。