過去の婚姻費用は請求できる?-なぜ方法がないのか?

女性のための離婚知恵袋

過去の婚姻費用は請求できる?-なぜ方法がないのか?

男性の方はこちらもどうぞ→離婚知恵袋[男性版]

過去の未払いに注目すると、婚姻費用が必要な状態なら請求権は当然認められていますが、今の時点で生活して生き続けている以上、過去の時点での請求権は、発生して消滅する(結果的に生活できている)サイクルを繰り返して現在に至っているという見方もあります。

また、過去の未払いについては未確定の要素が多く、「請求した時点からしか請求できない」という現状に繋がっていると考えられているのは確かです。

収入の多いほうが、意図的に生活費を支払わないという場合を除き、別居後に相手が生活に困窮する状況を知りえなかった場合、過去の婚姻費用をすべて認めてしまうと、言われるがままに何年分もの婚姻費用を負担しなければならないという事態にもなります。

負担義務があったことははっきりしていても、過失があったのかということも争点になります。

確かにもっともな話なのですが、過去に請求していなかったから請求できないというのはあんまりですし、結果的に生活してきたからといって、他者の援助や、収入の違いによる生活レベルの違いだってあり、同じような生活を送ってきたとはいえない場合もあるでしょう。

何としてでも、過去の婚姻費用を支払わせたいと考える人は多いはずです。