調停をしないで裁判を起こせる?

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調停をしないで裁判を起こせる?

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家事事件において、裁判(訴訟)をすることができる争いは、調停前置主義といって裁判の前に調停を行なうことになっています。

この決まりは法律で定められており、離婚も裁判をすることができる争いなので、原則として調停から始めなくてはなりません。

しかし、調停がなければ提訴できないということではなく、つまり、提訴の要件として調停前置になっているわけではありません。

いきなり提訴をしても却下はされず、家庭裁判所が必要と判断すれば裁判が開始されますし、裁判の前に調停が必要と判断されれば調停から始まります。

調停をしても明らかに解決しないのがわかっていて、それでも調停をさせるようなことはないのですが、その判断は家庭裁判所次第です。

例えば、あなたが夫とまともに話ができない状態なら、あなたは調停に意味がないと感じるでしょうし、本当に調停をしてもダメでしょう。

しかし、家庭裁判所はとりあえず調停を始めてみて、それでもダメなら裁判しますというスタンスです。

実際に調停を申し立てても、夫が調停を拒んで一度も調停で話し合えなかった経緯があれば、調停をしなかったとは言えないので、家庭裁判所も裁判手続きを進める可能性は高くなります。

その一方で、単に夫婦がまともに話し合えない状況だけでは、調停での解決の可能性は残されているため、意味がないとあなたが思っていても調停になるということです。

また、調停というのは相手方が存在して成り立つので、相手の住所が知れないと呼び出しもできず調停はできないことになります。

裁判でも訴状の送達先がなくてできないように思えますが、訴える側(原告)が手を尽くしても訴えられる側(被告)の居住地を突き止められない証明ができる場合は、公示送達という方法で訴状の送達に代えることができ、相手の住所が知れないときでも裁判手続きは進みます。