離婚協議書の書き方-8.退職金の財産分与

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離婚協議書の書き方-8.退職金の財産分与

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退職金も財産分与の対象になりますが、現在勤務中である場合には、退職金の金額も不明で、倒産や懲戒解雇で退職金自体がもらえるかどうかが定かではありません。
そのため、確約できない退職金をもらう協議をするよりも、見込み分として一定額を預貯金から支払うか、慰謝料として支払う場合の方が多いようです。
また、現在退職したら支払われるであろう退職金を目安に金額を決める方法も1つの手です。

・いくらをいつまでに支払うのか
 ・将来の退職金の場合には、退職金を受け取ってから(支払われてから)という文言を入れる
 ・振込みなのか現金引き渡しなのか
 ・振込みの場合は手数料の負担はどちらが行うか

例:「甲は乙に対し、離婚に伴う財産分与として、現在の勤務先を退職したことによる退職金を受け取った場合には、金○万円を平成○年○月末日までに、乙の指定する金融機関の預貯金口座に振り込んで支払う。なお、振り込み手数料は甲の負担とする。」

退職金は、勤務の積み重ねによって増額していくのがほとんどで、また、本人が金額を知ることができないことも考えられますので、なかなか金額の決めようがないのが実情です。
判例では、退職までの勤務期間のうち、婚姻中の期間に相当する額に対して、夫婦それぞれ2分の1とするのが相当とされています。
つまり、勤続30年、うち婚姻20年で退職し、退職金が1,200万円支払われる場合、1年あたりの退職金相当額は40万円なので、40万円×20年=800万円の2分の1である400万円が、あなたに分与されるべき財産というわけです。金額を決める場合には参考にしてください。

なお、強制執行認諾約款(文言)付きで公正証書にする場合には、支払いの日時や金額が決まっていないと駄目な場合があります。
これは、まだ発生もしていない(金額も決まっていない)債権債務について、強制執行力を持たせられないことが理由なので、公証人に相談してみても良いかもしれません。特に、何十年も先の退職金となると難しいと思って間違いないでしょう。
もし、公正証書にすることが難しいとアドバイスを受けた場合には、元々見込みがわからない退職金なので、いっそのこと固定金額を慰謝料として確保(債権として確定)したほうが賢いともいえます。