清算的財産分与-有価証券・会員権など

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清算的財産分与-有価証券・会員権など

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有価証券や会員権などは、基本的に時価額で計算して分与します。
財産分与の対象になる以上、夫婦の協力の元に得た資金で購入していることになりますが、良くトラブルになるのは、購入時より価値が下がっている場合に、購入時の価格で分与したいと主張する例です。

有価証券や会員権は、そもそもが価格が変動するので、価格変動を利用して利益を出そうと購入することがほとんどでしょう。
逆にいえば、リスクがあるのを承知で購入しているので、例えば株で失敗したからといって、自己の判断で購入したものについて他の誰かに責任を取らせようとしても無理な話です。
同じように、夫婦の合意のもとで購入しているのか、一方が勝手に生活用の資金を使いこんで合意がなく購入しているのかによって、扱いが変わってきます。

合意があって購入している場合、投資目的の金融商品を購入して、その価値が目減りしたからといって、目減りするなんて知らなかったでは済まされません。この場合に購入時の価格で分与するのは難しくなります。
合意がなくて勝手に購入している場合には、財産分与というよりも、夫婦の資産を減らしたことに対して、何らかの要求をするという意味合いが強くなります。
減った分は相手の負担にして購入時の価格相当で分与したり、時価で分与なら目減りした分を他の形で受け取るといった主張が通りやすくなります。
形は違いますが、一方が勝手にした借金は、もう一方に負担義務がないのと同じような話です。

もし、あなたが金融商品で失敗した側で、夫から購入時の価格での分与を求められており、かつ、購入時には夫の合意もあるのでしたら、応じる必要はありません。
成功して資産が増えていたら、夫は時価額での分与を求めるはずで、失敗したら購入額、成功したら時価額という虫のいい話が通るはずはないのですから当然です。
夫が反対したのに、あなたが説得して購入した結果失敗したのであれば、少しは夫の主張を聞いてあげてもよいでしょう。
こうしなければならないというルールはなく、あくまでも夫婦の協議次第です。